弊社がレンタルでも取り扱いを始めた、Leica SL2/SL2-SをフォトグラファーかつLeicaユーザーの高橋ヒデキ氏に、多彩なレンズの組合わせでテストシューティングを行ってもらいました。ボディとレンズの組み合わせによる、それぞれの特色・使用感を語っていただきました。Leicaのレンタルをご検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

※画像をクリックすると、商品詳細ページに遷移します。

• 大きさ、操作性など
  SLシリーズは他社のミラーレス機に比べて一回り大きい印象。鏡胴の大きなレンズをつけた場合あまり小型のボディだとレンズを持つ手の位置を工夫しないと指が干渉してしまうケースがあるがこの点SL2は無理に小型化していないのでそういったストレスを感じる事がない。ミラーレス機の特長でもあるEVFの綺麗さが新しいSL2はそのEVFがさらに綺麗になっておりより操作性が高くなっている。

• センサー性能/描写の印象
  ライカのデジタルカメラは設定によってモノクロにできたり､低コントラスでノスタルジックな、まるでフィルムで撮影したかのような画像も得ることができる。RAWデータで撮影する場合、今回のテストでは適正露出を中心にプラスマイナス2EV（※極端な輝度差の無い場合）までなら良質な画像を得ることができるという結果になった。カメラによってはアンダーで撮影して現像時に露出量を上げて現像した場合シャドー部にカラーノイズが入ったり、オーバーな露出ではハイライトがトーンジャンプを起こしたりする場合があるがそういった現象が起きにくくSL2のセンサーは癖がなく使いやすいと感じた。

CAMERA ･ MODEL｜SL2 + APO-Summicron-SL 50mm F2

APO-Summicron-SL 50mm F2 レビュー｜ コントラストの豊富さ、描写力、立体感、ヌケなど全てにおいて素晴らしい性能。また最短撮影距離が35cm で(一般的に50mmレンズは45cmが多い）この10ｃｍの差は意外と大きく使い勝手の良いレンズである。

CAMERA｜SL2-S + Vario-Elmarit-SL24～90mm F2.8-4
MODEL｜SL2-S + Vario-Elmarit-SL 24～70mm F2.8

Vario-Elmarit-SL 24～70mm F2.8 レビュー｜映し出される画像のヌケの良さと豊富なコントラストはズームレンズとは思えないほどで最短撮影距離が短くマクロレンズ的な使い方もできるので風景からポートレート、テーブルトップなど、どんな撮影にも対応できるレンズである。

CAMERA｜SL2 + APOMACRO SUMMARIT-S 120mm f2.5
MODEL｜SL2 + SUMMARIT-S 70mm f2.5 ASPH.

SUMMARIT-S 70mm f2.5 ASPH. レビュー｜フルサイズのSL2/SL2Sに純正アダプター経由で使うとイメージサークルのほぼ中央部分しか使わないため画面全域でピシッとした絵が得られる。（回折現象が出るため絞り過ぎに注意）フルサイズでの70mmという焦点距離の画角はパースペクティブの影響が少なく誇張の無い自然な描写ができる。

※ S-Adapter使用

CAMERA・MODEL｜SL2 + SUMMILUX-M 50mm f1.4

SUMMILUX-M 50mm f1.4 レビュー｜絞り開放だとふんわりと優しい描写、トーンが豊富で黒の中の黒の階調を映し出してくれる。このレンズでしか描写できない独特の味わいがある。開放だと被写界深度が浅くなるためM型ライカよりもEVFの綺麗なSL2/SL2Sのほうが正確にピント合わせができる。

※ M-Adapter使用

CAMERA・MODEL｜SL2-S + Macro-Elmarit-R 60mm f2.8

Macro-Elmarit-R 60mm f2.8 レビュー｜60mmという焦点距離の画角はパースペクティブによる歪みの影響が少なく被写体の形が自然に写る。マクロレンズなのでポートレートや静物撮影などに向いてる。アポレンズではないものの色収差は低く抑えられており特にモノクロ変換した時の綺麗さは素晴らしい。

※ R-Adapter使用

高橋ヒデキ（Hideki Takahashi）

1965年旭川市生まれ。代官山スタジオを経て石倉和夫氏に師事。1992年に独立し、2007年株式会社タクティックを設立。主に女性誌のビューティーページの撮影を得意とする。主婦と生活社「ar」、集英社「MAQUIA」他。